「青年団こそわが人生」――発刊を祝して
翼の会世話人 堀 利幸
「河野順吉伝」が上梓されると聞いて、とても嬉しく熱い思いが伝わってきました。そして河野さんとのいくつもの思い出が瞬時に脳裡を駆け巡ったのです。
私が河野さんと出会ったのは、半世紀も前の昭和四十三年に行われた北海道百年記念「北海道中堅青年海外派遣事業」(通称・青年ジェット)のメンバーに決まり、その事前研修に参加した時でした。青年ジェットは北海道二世紀を担う青年に開拓者精神を身につける趣旨で、本道開拓に尽くされたクラーク博士のお墓(マサチュウセッツ州)にお参りして、アメリカの東から西へひと月にわたって民泊しながら研修する壮大なプロジェクトです。団長団四名、指導者二十一名、全道から試験を受けて合格した青年百五名の百三十名がジェット機をチャーターして七月三十日に出発し、九月二日の北海道百年記念祝典に出席して解散したのです。河野さんと私は指導者メンバーとして参加しました。
帰国後は支庁管内ごとに「あすをつくる青年開発会議」(のちに「青年婦人国際交流センター」として活動)が組織され河野さんは空知管内の会長として大活躍されたのです。私も当初のころ役員の一人としてご一緒させていただきました。
また青年ジェット参加者は、学校の卒業同期会とも言える「翼の会」を結成し、毎年欠かさず集まり活動してきました。昨年は「青年ジェット・翼の会五十周年」で高橋はるみ北海道知事さんと北海道青少年育成協会の竹谷千里会長さんから記念誌へのご寄稿、集いへのご出席を賜わりご祝辞と激励をいただきました。二つの事業は会員の理解と協力で成功裡に終えたのですが、河野さんは私の気付かないこと、及ばないことを補ってくださったのです。表に出ないで友情として支援する河野さんの人柄に私は心から敬服し感謝しています。
河野さんが深川市長時代のことです。空知管内には二十七市町村長(現在は二十四市町)で組織する空知地方総合開発期成会があり、市町村や空知の発展に向けて国や北海道に提言したり要望したりしています。河野さんは副会長として会長(岩見沢市長)を支え、空知管内の発展に尽力されました。私は期成会事務局長のころにいろいろ相談に乗っていただいたのです。
河野さんのこうした気くばりとエネルギーは若い時代の青年団活動で培われたと思っています。北海道百年のころは、北海道青年団体連絡協議会会長として未来を担う青年の役割を提案し青年ジェットの実現に大きな役割を果たされました。出発の日の壮行会では団員を代表して謝辞を述べています。
青年団活動は全国すべての市町村で展開されていて、そこで体得した組織運営力が地域で幅広く発揮されるという社会的人材の宝庫でした。その象徴的な河野さんは今、北海道青年団OB会会長で全国OB会においても中心的な存在です。まさに今も青年なのです。
役割をたくさん担う河野さんが、
これからもお元気で活躍されることを心から期待しています。
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