腕白少年
腕白少年

「重湯にして子どもに飲ませたいので、
「あげるから持っていきなさい」。母・
生活に必要な物がない、食べる物も……。
父・健一郎と母・千代がさまざまな公職を担うことを知り、
乳飲み子を抱えた女は、その後、
女は、後にこんな歌を詠む。
〈幼年の頃は毬栗(いがぐり)の可愛い子 今は深川の頭市長の笑顔〉。
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♪ ♪
乳飲み子を抱えた女の視界に入った毬栗頭の少年は、
あれは、小学三年生ごろだったろうか――。春だった。
♪ ♪
順吉は、地元の音江村立菊丘小中学校に通う。
当時、年一回程度、児童生徒に校内で履く上靴が配給されていた。
「校長の息子に当たった!」。
なのに、その夜、校長は順吉の家にやってきた。順吉は、
「翌日は運動会だったからねぇー、うちのおやじ(父・健一郎)
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人は時代的にしか生きられない、という。その土地の気候・
「菊丘は山間のへき地で決して恵まれた土地ではなかった。
タフでなければ生きていけない、
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